鍋料理には昆布は不可欠です
最近、フリーランスになりました乾物屋です。専門の昆布ついて語っていきたいと思います。
ここ数日で、気温が急に寒くなってきました。
やっと といった感じです。
朝晩だけでなく、日中の気温が下がると、昆布などもよく売れるようになります。
買い物をする時間帯に気温が低ければ、鍋物が夕飯の献立になりやすくなります。そうすると鍋物のだし用として、昆布が売れるようになるのです。
鍋物料理シーズンイン
1.鍋ものに昆布?
最近ではいろいろな鍋スープが発売されております。
トマト鍋・ちゃんこ鍋など様々なメーカーが作っています。またこれが旨いんです♪
昔がながらの、
「昆布+鰹節+干し椎茸」 など
で出汁をとる方々は、滅多にいなくなりました。
使っても、液体の麺つゆという方が大半ではないでしょうか。
毎年、スーパーでは、鍋シーズンになると、だし昆布を通路側の目立つ場所で販売してくれます。でも、昔より陳列してくれる量が減ったように思います。
今は鍋は鍋でも 「湯豆腐」 の時ぐらいしか、昆布を入れないからかもしれません。
形的に 昆布が入っていれば良し!
湯豆腐には昆布!
ぐらいは思ってい頂けてる証拠ですね
こういった感覚も時代の流れなので仕方ない事ですが、昆布関係者としては寂しく感じます。まだ「湯豆腐」という食文化があって、よかった方かもしれません。
2.変わりつつある輸入乾物の事情
・中国産干し椎茸の現状
干し椎茸は、数年前に東日本の震災による風評被害などから干し椎茸自体の買い控えが発生し、大きく消費を落としました。その結果、国内の干し椎茸メーカーは大きな売上減少を起こしました。
ちょうどそのころは、中国産椎茸の日本への輸入量が減っていた時期でした。
中国国内で生椎茸の消費が進んだ為と、日本の輸入規制が厳しすぎたことが原因です。
その為、中国産椎茸の価格は上昇し国内の需要悪化がさらに進みました。
安価な中国産干し椎茸もない為、さらに国内産干し椎茸の相場価格も上昇し販売が大変な時期がありました。
今も中国産の干し椎茸の価格は以前程の安価なものはなく高価な存在となっています。
日本は食に対して厳しすぎるとの意見もたくさん聞きます。あまり規制をかけてしまうと、あらゆるものが日本に入ってこなくなる時代も来るかも知れません。
・中国産昆布 の現状
同じようなことが、昆布の業界でも起こっています。
昆布にも中国産・韓国産・ロシア産があります。
中国産昆布は一般商品としてはあまり市場には出回りません。業務用として流通するのが主です。大半は煮物(昆布巻き)、佃煮として加工されます。
今年みたいに、国内産昆布が不作の場合、中国産昆布の存在は有難いものです。
中国では20万トンの昆布が採取されています。大半がアルギン酸などの栄養素を抽出するために使われています。
その中でも厳選した製法で仕立てられた1200トン程の昆布だけが日本に輸出されています。輸出規格が非常に厳しいと聞いています
現在、中国産昆布の輸入量・輸入価格は穏やかな状態で例年並みに行われています。
しかしながら、品質は年々悪くなっていく一方です。
価格の上昇を抑える為に、検査基準を下げる、もしくは規格基準を緩和して対応している結果です。
経済発展している中国では、わかめや昆布の採取に携わる労働人口が減少しています。
3k仕事よりも電気製品製造関係の工場勤めの方が高給取りだからです。そういった中、日本向けの昆布を製造してもらうべく立てた対応が
選別作業を緩和化し、価格への転嫁を抑える といった方法です
こうしないと、日本向けの昆布は作ってもらえなくなって来ているのです。
・中国産昆布の特徴
中国産昆布には、中国本土の水質の関係で 独特の臭みや、微粒子の砂 があります。
臭み等が取り除かれれば、非常に良いだしがとれる昆布です。
こういった中国産昆布が一般商品として市場に出回るようになればもう少し価格も安くなり、皆様方の手に取っていただきやすくなると思います。
最近では関東のスーパーで中国産昆布が販売され始めたと聞いています。
昆布関係者とすれば、品質改良をやってもらい昆布の国内流通量を増やしてもらいたいものです。
最後に
鍋の話から大分変ってしましたが、昆布を使う鍋は、日本食文化の代表です。
鍋は家族団らんで楽しいです。奥さんの手間もあまりかからず簡単料理です。
今年は是非、鍋料理をたくさんしてください。そして昆布をたくさん使ってください(笑)
|